コミュニケーション

『お客様は神様です』は本当か?

『お客様は神様です』を流行らせたのは三波春夫ではない

 

三波春夫の決めゼリフと思っているが

 

『お客様は神様です』

このセリフは三波春夫さんが発祥とされているが、実際には多少違うようです。

三波春夫さんのオフィシャルサイトに記載されているものを少し引用します。

全文は長いので一部引用としますが、なるべく真意が伝わればと思います。

(正確な意味合いはサイトで全文をご覧下さい)

「三波春夫」といえば、『お客様は神様です』というフレーズがすぐに思い浮かぶ方が少なくないようです。印象強くご記憶いただいていることを有難く存じます。
ですが、このフレーズが真意とは違う意味に捉えられたり使われたりしていることが多くございますので、ここにちょっとお伝えさせて頂きます。

~中略~

『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払ってまっさらな、澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。ですからお客様は絶対者、神様なのです』

~中略~

“お客様を神様とみる”という心構えであることを舞台の上で話したことが始まりで、それは芸能生活としては22年目、歌手デビューから数えると4年目の1961(昭和36)年のことでした。
その後、漫才トリオのレツゴー三匹さんが「三波春夫でございます。お客様は神様です」という表現を流行させて、「お客様は神様です」という言い方が世の中に定着したというのが経緯です。

引用:三波春夫オフィシャルサイト ~『お客様は神様です』について~

 

このように、三波春夫さんが

『お客様は神様』と思って歌を歌っている、

お芝居を見せているという気持ちだと言っていたものが、

キャッチーなフレーズだったので

当時人気漫才トリオの

レツゴー三匹さんがつかみネタとして

『ジュンで~す』

『長作で~す』

『三波春夫でございます』

『お客様は神様です』

と、ジュン、長作に両隣から

顔を潰されツッコまれるネタが

大受けし流行ったのが要因のようです。

 

『お客様は神様です』はゴロが良かった

 

『三波春夫でございます』

『お客様は神様です』

大人気の三波春夫という歌手、

大人気のレツゴー三匹が言っていたので

大流行したのでしょう。

ゴロがとても良く、一度聴くと

頭に残るフレーズ、

『◯◯は神様です』と言い換えもしやすいので

流行語になったようです。

三波春夫さんもその流行語に乗ったのでしょう。

自分のキャッチフレーズにもなるし、

つかみネタにもなるし。


hoichanさんによる写真ACからの写真

お客様イコール神様ではない

 

お客様は神様だけど…

 

確かに歌手、芸人だけではなく

商売人にとっては

お客様は神様です。

企業、お店、サービスに対して

お金を払ってくれます。

そうしないと商売は成り立たないし、

お金を払ってくれる人を神様だと

思うのは当然でしょう。

しかし、

お客様イコール神様ではないのです。

お客様は神様だけど、

神様はお客様ではありません。

神様じゃない人もお客様に

なっている場合があります。

 

お客様を神様と思うのは商売人側から

 

『お客様は神様です』と思うのは

企業、商売人側からの思いです。

決してお客様側が言うことではありません。

商売人側は

『この商品買って頂いてありがとうございます』

『お店に来て頂いてありがとうございます』

『芸を見にきて頂いてありがとうございます』

お客様は本当に大事ですし、

『お客様は神様です』と思い

心を込めてサービスし、

商品を作り、おもてなしをします。

しかし、このフレーズを逆手にとる場合があります。

『客の言う事が聞けないのか!』

『お客様は神様だろ!』

『神様の言う事を聞け!』

 

いやいや

 

神様はそんな事を言いませんから。

 

神様だったら商売人側の方にたって

こちらの意見も汲み取ってもらわないと。

商売人側からすると、お客様は神様ですけど、

お客様を満足させてあげられない事もあるでしょう。

でもお客様側は、その商品やサービスに

ふさわしいと思ったから対価を支払ったわけで。

その対価がふさわしくないと思ったとか

対価以上のサービスを欲しいと思った等の理由で

『こっちは客だぞ!神様だぞ!』

と言われても…

そんなお客様なら、もうお客様とは思わないです。

二度と利用しないでくださいと思いますよね。

お客様は、お客様のプロにならないと

 

『お客様は神様です』は

商売人側からお客様に対しての気持ちであり、

そういう思いでおもてなしをします。

お客様は自分を神だと思うならば、

お客様としてのプロにならなければいけません。

中には酷い商売人もいるでしょう。

お客様を神様と思わないようなサービスを

するところもあるでしょう。

そういうサービスを受けたら

ここは失敗だったなと思い、

もう二度と利用しなければいいだけです。

そういう判断はできるでしょう。

 

だって『お客様は神様』なんだもの。